ようやく暖かくなってきたと思っていたら、もう夏のようですね。
今日は4月30日~5月6日に当館で開催した3つの展覧会をご紹介します。
一つ目は「画楽多友遊会絵画展」です。
この展覧会は、高齢者施設「千葉市稲毛いきいきプラザ」で開講している絵画教室の生徒さんと先生の作品展です。展覧会を開催するのは初めてだそうですが、水彩やパステルの作品が中心で淡く落ち着いた展覧会となりました。
今回はその中のお一人・仲村さんの作品をご紹介します。
習志野市谷津にあるバラ園を水彩で描いた作品です。俳句をつくりにバラ園に行かれた仲村さんは、そのとき写真も撮影しており、後日その写真を元に描いたそうです。仲村さんは絵と俳句を続ける中で「そのとき感じたことを表すことでは、どちらも同じなんだ」と感じるようになったそうです。その中でも絵を描くときは、そのときの風景の光をとらえて表現することができるとおっしゃっています。
画面手前のバラはあまり主張しすぎず、絵全体もさらりと淡いタッチで描かいており、初夏のさやわかな風景がよく表現されています。
続いての展覧会は「デジタルアート展」です。
この展覧会はパソコンを用いて作品を制作する樋口さんの個展になります。手描きのスケッチや撮影した写真をパソコンに取り込み、加工したり、パソコンソフトで描いたイメージとミックスさせるなど、様々な手法を試みています。
上の作品は写真と浜で拾った石などを組み合わせて制作されています。
上部の写真は、3月11日の震災後に千葉市美浜区の稲毛海岸を撮影したもので、砂浜の一部の砂が噴き出て陥没しているのがわかります。下部の作品は、震災以前から浜辺で集めていた石を原稿用紙の上に配置した作品です。樋口さんは、「並べた石それぞれが違う場所で違う歴史を辿ってきていることがおもしろい」とおっしゃっていました。全く違う機会に制作された2つの作品ですが、写真と原稿用紙お互いを補足し合っているようにも感じました。
最後に紹介する展覧会は「笠原清司~被災地に送った私の絵~」です。
笠原さんは3月の震災を受け、被災地に対して何かできないかと絵葉書を描きはじめたそうです。そうして描いてきた絵葉書は600枚にも及び、笠原さん自身の手で被害の大きかった地域に届けられました。今回の展覧会では、送った絵葉書の中から30点のイメージを抜粋し、再度描きなおした作品を展示しました。
どの作品も風景や四季折々の自然を描いており、見ていてホッとできる絵でした。 会場には笠原さんが被災地で撮影してきた写真も展示されており、笠原さんと来館者が震災について語る場にもなっていたのが印象的でした。
今回は3つの展覧会の紹介をさせていただきました。最後まで読んでいただきありがとうございます。
yuki