7月5日(火)~17日(日)、千葉市民ギャラリー・いなげ1階にて企画展「観光地・いなげ展」を開催しました。
かつて海辺の保養地として関東近郊で親しまれた稲毛の街。
明治40年代に千葉県で初めての稲毛海水浴場がオープンして以来、稲毛は春は潮干狩り、夏は海水浴に訪れるお客さんで大変賑わったそうです。その後、京成線や総武線が開通、稲毛駅も開設され、関東近郊で有名な保養地になり、旅館や別荘も数多く見られたそうです。
今回の展示では、そんな稲毛の記憶を、千葉城でおなじみの千葉市立郷土博物館と連携し、同館が所蔵する観光にまつわる様々な資料を通してご紹介しました。
当時、お土産用に海の家や旅館で販売されていた絵葉書には、稲毛の海や根上松などが映し出されています。中でも田山花袋など文豪たちが滞在したことで知られる旅館・海気館の往復絵葉書は、今では知る人がほとんどいない明治~大正時代の旅館の様子を伝えてくれます。

また、京成沿線の路線図や稲毛街の鳥瞰図を見ると稲毛街の全貌も見えてきます。

国道沿いに並ぶ海の家の数は、市内の海岸の中で最も多く、当時の賑わいが伝わってくるようです。
その他にも、稲毛の納涼台をモチーフにした千葉市観光祭りのポスター、市内の観光スポットをまとめたパンフレット、旅館のパンフレットなどから、昔の稲毛の風景を垣間見ることができました。
会期中7月9日には「稲毛お話し会」も開催しました。ゲストの元千葉市史編纂委員の西川明さんと千葉市立郷土博物館学芸員の土屋さんをお迎えし、参加者の皆さんと共に稲毛の記憶を語り合いました。
展覧会でご紹介した資料の一部は下記のURLよりダウンロードいただける「海気通信10号」でご覧いただけます。展示にお越しいただけなかった方は、ぜひこちらよりご覧ください。