テナガエビ

5月も終わりに近づき、日中はだいぶ暑くなってきましたね。

ギャラリー・いなげは、ツツジの見頃が終わり、今はさつきが満開です。

今日は、千葉市在住のライター・大島健夫さんによるギャラリー・いなげ庭園の生き物観察(3回目)の様子をお伝えします。

大島さんは千葉市に生息する野生生物にとても詳しく、一昨年8月に当館の池でモクズガニを発見してくれたことがきっかけで、不定期に庭園観察に来てくださっています。

今回の庭園散策では、カマキリの子どもやテントウムシの幼虫・さなぎ(!)など、この時期にしか見られない虫の成長過程を見ることができました。

 そして、今回ぜひ紹介したいのが「テナガエビ」です。実は一昨年も姿を見せたのですが、危険を感じてか岩陰から出てくることはありませんでした。

しかし、今回水面近くまで姿を見せてくれ、撮影にも成功しました!

下の写真がその時に撮影したテナガエビです。

少しの間陸にあげて撮影。体長は10cmほど。 千葉市のレッドブックでは重要保護生物に登録されています
少しの間陸にあげて撮影。体長は10cmほど。
千葉市のレッドデータブックでは重要保護生物として記載されています

名前の通り、二本目の脚が非常に長く、雄は体長よりもずっと長い脚をもつそうなので、写真のテナガエビも雄なのでしょう。

普段は虫などの小動物や藻類などを食べる雑食だそうで、池に落ちた虫や鯉のエサのおこぼれ、藻などを食べて暮らしているのではないか…

とのことでした。

岩陰にはさらに大きなテナガエビが…!エビたちは池の底にたまった藻屑を長い脚を使って一生懸命食べていました。微笑ましい…
岩陰にはさらに大きなテナガエビが…!エビたちは池の底にたまった藻屑を長い脚を使って一生懸命食べていました。微笑ましい…

大島さんのお話で特に興味深かかったのが生息場所についてです。

テナガエビには、河口域で繁殖し、生まれた幼生が流れに乗って海に降り、そこで稚エビに成長した後また川をさかのぼってくる「降海型」と、海に降りず淡水の中だけで繁殖・成長できる「陸封型」の2つのタイプがあるそうです。

ギャラリー・いなげに面した国道14号線以南は、昭和31年の埋め立て事業が始まるまで海が広がっていました。こうした稲毛の変化を考えると、ギャラリーの池にいるエビたちは、海岸の埋立以降は池の中で閉鎖的に繁殖するようになったか、あるいは埋立後の現在でも海と池を何らかの方法で行き来している可能性もあるとおっしゃっていました。

同じ池に海と淡水を行き来するモクズガニが暮らしていることから、もしかするとこの池のテナガエビも遠ざかった海とまだつながっているのかもしれません…。

市内の生き物についてもっと詳しく知りたい方は大島さんの生き物ブログをご覧ください→http://daylightrambler.blog.fc2.com/

※今回、撮影のためにテナガエビを一時的に陸にあげましたが、本来庭園の生き物の捕獲はできません。

yuki

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