画家・花香利治さんによる千葉市の神社仏閣のスケッチ展の第3弾を開催しました。
花香さんは、自身の仕事や制作のかたわら、千葉市内に約400ある寺社ほぼすべてに足を運び、その風景を葉書に描いてきました。
千葉市民ギャラリー・いなげでは、2年前より稲毛区・中央区・花見川区のスケッチを順次ご紹介してきましたが、今回はいよいよ最後となる緑区・若葉区編。
市内でも山深い緑区・若葉区の寺社はひと気のない林や畑の中にぽつんと建っていることも珍しくありません。
現場まで足を運び描いている花香さんのスケッチは、その場の静けさや神聖さが伝わってくるようでした。
おもしろい構図を求めて神社の周りをじっくり見て回るそうで、時には賽銭泥棒と間違われることもあったとか。
今回は葉書よりも以前に描いていた色紙サイズの作品も合わせて展示させていただきました。
合せてご紹介した色紙には、宅地開発前の土気の草深い風景や藁葺屋根が立つ長閑な田畑の風景が描かれていました。
葉書はボールペンと水彩で描かれていますが、色紙は花香さんの本業である油絵風に顔料を重ねて描いています。
若葉区の正福寺は、花香さんのお気に入りのお寺です。
花香さんが寺社を描き始めたきっかけは、1990年代、幕張メッセの建設をはじめ、新しい建物がたくさん建ちはじめたころ。千葉市が急速に発達していくのを目の当たりにし、失われつつある風景を絵に残していこうと思ったそうです。
展覧会では、花香さんの当時のエピソードと実際に巡られた寺社のマップを合せてご紹介、配布しました。
また、今回は全国のお寺を巡る千葉在住のジャーナリスト・平山徹さんが、実際に巡った緑区・若葉区のお寺のミニ解説もしていただきました。
花香さんのスケッチを通して、意外と知られていない千葉の一端を感じていただく機会になっていれば幸いです。
*追記
「花香利治スケッチ展」の会期中、7月11日にに行った「稲毛お話会」を少しご紹介します。
ゲストに千葉市史の編纂に携わった西川明さんをお呼びした、参加者の方と稲毛の街の記憶を語り合う会です。
4回目となる今回は参加者の方にも積極的にお話いただき、稲毛での遊びの思い出、海の家や夏祭りの思い出など興味深いエピソードを伺うことができました。
後日発行する海気通信8号で紹介しますのでお楽しみに。。